元気、ニッポン!

【動画あり】卓球・張本選手らと「鍛える、食べる 1日合宿」

2018年08月21日

#鍛える、食べる トップアスリート1日合宿

同世代の精鋭が先生

エリートアカデミーの選手たちと打ち合う中高生(いずれも8月7日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで)
エリートアカデミーの選手たちと打ち合う中高生(いずれも8月7日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで)

中学・高校の卓球部で活動する生徒たちが、日本オリンピック委員会(JOC)エリートアカデミー※の選手らと一緒に練習し、食事についても学ぶ「鍛える、食べる トップアスリート1日合宿」(読売新聞東京本社主催、味の素共催)が8月7日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で開かれた。

2020年の東京五輪・パラリンピックとその先に向けて、読売新聞社が進める「元気、ニッポン!」プロジェクトの一環で、昨年のバドミントンに続く第2弾。生徒たちは効果的な食事のとり方を学び、選手らと交流を楽しんだ。

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※エリートアカデミー

JOCが五輪をはじめ国際大会で活躍する選手を育成するため、2008年に始めた事業。全国の中高生の中から選ばれた選手たちが、NTC内で寮生活を送りながら、一流のコーチ陣による指導を受けている。アーチェリー、ボート、フェンシングなど7競技で36選手が在籍している。

10代互いに刺激

「カコン、カコン、バシッ」――。卓球台をはさみ、生徒と選手が球を追い、打ち合う音が、練習場いっぱいにこだました。

練習に臨んだのは東京都、神奈川県、千葉県の公私立中学校・高校7校の卓球部員27人。今年の全日本選手権男子シングルスを史上最年少で制した張本智和選手、同選手権ジュニア女子シングルス優勝の長崎美柚(みゆう)選手らエリートアカデミーに在籍する7選手と一緒に汗を流し、強化スタッフのコーチ陣から指導を受けた。

最初は硬さが目立った生徒たちだが、日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長が「打つ時、声を出して! 息を吐くことで瞬発的な力が出る」と呼びかけると、「アッ、アッ」とリズミカルな声を上げながら打ち込み始めた。

後半は試合形式の練習が行われ、張本選手とラリーの末、点を奪う生徒も現れた。

「1日合宿」を締めくくる選手との質疑応答では、質問が相次いだ。「普段の練習で心がけていることは?」との質問に対し、選手たちは「コーチの話をきちんと聞く」「試合をイメージしながら、緊張感を持って取り組む」などと回答。「勉強はどうしてますか」との質問には、「短時間で集中してやっている」「遠征先で空いている時間を活用している」などと答えていた。

星美学園高校3年、木村菜々花さんは「長崎選手にサーブの打ち方を教えてもらった。トップアスリートは練習でもミスが少ない」と感心した様子。

西本郷中学校3年、鈴木颯太さんは「コーチから『体全体を使って打て』と言われ、直したら本当に良くなった。強い選手たちを育てているコーチに教われてうれしい」と喜んでいた。

選手たちにも刺激になったようで、張本選手は「上手な人が多くて、一緒に練習していて楽しかった」。長崎選手は「頑張ってね、と声をかけてもらった。東京五輪ではメダルを目指したい」と、力を込めた。

生徒たちと練習する長崎選手
生徒たちと練習する長崎選手

食事で鍛える戦う体は「勝ち飯」教室で

張本選手(中央)と談笑しながら昼食をとる生徒たち
張本選手(中央)と談笑しながら昼食をとる生徒たち

練習と併せて、正しい水分や栄養の補給を学ぶ「勝ち飯教室」が開かれた。

講師を務めたのは、北京五輪の競泳日本代表で管理栄養士の柴田隆一(りゅういち)さん。「今年は猛暑。汗をかくと、ミネラル分も一緒に体外に出てしまう。水と一緒にミネラル分を取ろう」と話し、塩や砂糖、レモン果汁などを加えたオリジナルドリンクの作り方を伝授した。

食事については、〈1〉米やパンなどの主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、汁物の五つをそろえるよう努める〈2〉そろわない時は、翌日の食事などで補う――とアドバイスした。張本選手のある日の食事を紹介し、「果物を加えた六つがそろっている。野菜をしっかり取っている」などと評価した。

生徒たちは、NTC内の「勝ち飯食堂」でとった昼食で、教わったことをさっそく実践。肉料理やサラダなど、豊富なメニューの中から、五つがそろうように自ら考えて料理を選んだ。

また、練習の前後に、アミノ酸入りのサプリメントを飲み、必要なタイミングで栄養を補う「補食」の大切さも学んだ。

安田学園中学校3年の中川泰雅さんは「食事は大事だと思った。これまで朝食を抜くことがあったが、取るように心がけたい」と話していた。保護者からは「毎日の食事作りは大変だが、子どもがバランス良く食べられるようサポートしたい」といった声が上がっていた。

JOCと味の素は食の面から日本代表選手らを支援しようと、「ビクトリープロジェクト」を進めており、効果的な食事のとり方として「勝ち飯」を提唱している。子供からお年寄りまで、健康維持や体力向上にも役立つ考え方だという。

多様な食材バランス良く

この日の張本選手の昼食は、主食の「天津丼」、主菜、副菜、牛乳の四つと果物で合格点。これに汁物が加わると満点だった。サラダのお椀わんにはキャベツ、トマト、カボチャ、ワカメなどが盛られた。生徒たちは、「いろんな食材をもりもり食べていた」(和洋国府台女子中学校3年、須藤菜々子さん)などと感心しきりだった。

参加校 【公立】横浜市立西本郷中学校 【私立】星美学園中学校・高校▽東海大学菅生高校中等部▽桐朋中学校・高校▽安田学園中学校(東京都)▽市川中学校▽和洋国府台女子中学校(千葉県) ※いずれも読売教育ネットワーク参加校

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