元気、ニッポン!

スポーツ庁委託事業「平成30年度パラリンピック教育普及啓発事業」

パラスポーツ・アスリートをもっと知ろう! in 山梨

2019年03月18日

#パラスポーツ

スポーツなどを通じて日本を元気にしようと、読売新聞が展開している「元気、ニッポン!」プロジェクトの一つ、「パラスポーツ・アスリートをもっと知ろう! in 山梨」が3月10日、甲府市の山梨学院大学古屋記念堂で開かれた。親子連れや中高生ら約300人が参加し、選手と一緒に競技用の義足や車いすフェンシングを体験した。

主催=読売新聞社
後援=公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会、山梨県、山梨県教育委員会、甲府市
協力=公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、NPO法人幼児教育従事者研究開発機構、山梨学院大学


パラスポーツ・アスリートについて、選手との交流や競技体験を通じて理解を深めてもらおうと、今年度、全国7か所で開催し、山梨会場が最終回となった。この日のゲストは、パラ陸上の走り高跳びの鈴木徹選手、車いすフェンシングの加納慎太郎選手、ホッケーの尾本桜子選手の3人。

鈴木 徹選手

加納慎太郎選手

尾本桜子選手

新保友映アナウンサー

トークショーでは、新保友映アナウンサー(元ニッポン放送)が進行役を務め、ゲストの3選手が競技を始めたきっかけなどを語った。

「小6で、はさみ跳び市内1位が自信」…パラ陸上・鈴木徹

鈴木選手は2016年のリオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り高跳びで4位に入賞した。山梨県出身で高校時代にハンドボールで国体に出場し、大学への推薦入学が決まっていたが、高校の卒業式の1週間ほど前に、交通事故で右足を損傷。ハンドボールを続けたいとの思いはあったが、なかなかうまくいかなかった。そんな時、競技用の義足の存在を知り、「少し走ってみよう」と、走り高跳びを始めると日本記録を出すことができた。小学6年生の時、はさみ跳びで市内1位の記録を達成していたことが自信につながったという。鈴木選手は「小学校の時の体験が大きくなった時に生きている」と会場の子供たちに語りかけた。


剣道から、同じ剣使う車いすフェンシングに転向…加納慎太郎

加納選手は、昨年インドネシア・ジャカルタで開かれたアジアパラ競技大会で、銅メダル2個を獲得した。16歳の時、バイクで事故に遭った。得意だった剣道を事故後も義足を着けて続け、その後、剣道と同じように剣を使う車いすフェンシングに転向し、競技の面白さに魅了されたという。

「オリンピックは夢舞台。2020年東京大会に出場したい」…女子ホッケー・尾本桜子

尾本選手は現在、山梨学院大学に在学中で、U-18日本代表を経て昨年9月には女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」に初選出された。尾本選手は、スティックの特徴などを説明し、「オリンピックは夢舞台。2020年の東京大会に出場したい」と思いを語った。

「アスリートへの質問タイム」では、参加者からの減量の経験があるかどうかとの質問に対して、加納選手は「最高のパフォーマンスを出すには何キロがいいかを試すために体重の増減を図ったことがある」と答えた。「本番で緊張しないためにはどうすればよいか」との質問に、尾本選手は「初めての大会は緊張したが、最初のプレーに集中すると、次のプレーもうまくいくと考えている」、加納選手は「本番ではフェンシングができていることに幸せを感じてプレーを楽しんでいる」とそれぞれアドバイスを送った。トークショーに参加した小学6年生の名取龍希君は「自分も陸上をやっているので、試合前の気持ちの持ち方などを参考にしたい」と感想を語った。

義足の説明をする鈴木選手(左)と加納選手

義足体験では、参加者が鈴木選手から体重のかけ方など歩き方を教わり、スタッフに支えられながら一歩一歩、前に進んだ。中学1年生の渡瀬碧君は、「歩いていると、だんだん歩き方のコツをつかめてきた」、中学2生年の岩下津月君も「下を向くとつま先がひっかかりそうになるので気を付けた。歩いた時にバネがあるのが分かった」と義足体験を楽しんでいた。

「アスリートにチャレンジ」では、鈴木選手と子供たちが「かけっこ対決」を行い、子供たちが大喜びで鈴木選手の後を追いかけた。


「剣重かったが、試合は面白かった」…車いすフェンシング体験会

車いすフェンシングは、ピストという台に車いすをのせて行う。この日は、フェンシングのうち、フルーレという種目で体験を実施した。剣の先端はボタンで、相手の上半身の有効面を突いてポイントを競う。参加者は加納選手と実際に対戦しながら、車いすフェンシング体験を楽しんだ。小学5年生の日原瑠夷君は「攻撃してもバーンとはね返されたけれど楽しかった」とにっこり。小学4年生の本間颯太郎君も「(剣は)思ったより重かったが、試合は面白かった」と笑顔を見せた。

剣の持ち方を教わる参加者

ホッケーでは、尾本選手がスティックの持ち方から、ドリブルやパス、シュートの方法について実演を交えて伝授した。小学2年生の柏原侑和君は「ふだんテニスをしているので、ホッケーのパスやシュートは同じように道具を使うスポーツとして楽しめた」と話していた。

真剣勝負、本気のパス…選手同士で体験

プログラムの締めくくりは、ゲスト選手同士の競技対決。「車いすフェンシング」では、鈴木選手が加納選手を相手に「真剣勝負」を挑み、参加者は2人の剣さばきを楽しんだ。ホッケーでは、尾本選手の「本気のパス」を鈴木選手が見事にキャッチし、歓声が起こった。最後に、参加者らが2020年東京オリンピック・パラリンピック出場を目指す3選手に応援のエールと拍手を送り、閉会した。

尾本選手(左)も車いすフェンシングに挑戦
フェンシングのジャケットを着用する鈴木選手
加納選手(右)に挑む鈴木選手
尾本選手(中)に挑む加納選手(左)と鈴木選手

イベントの冒頭では、会場でオリンピック旗とパラリンピック旗がお披露目された。2020年東京オリンピック・パラリンピックへの関心を高めようと企画された「フラッグツアー」の一環で、2016年に東京都内を出発した旗が今年3月、全国最後の訪問県となった山梨県に到着し、県内を巡回している。

山梨県で開催される競技紹介
オリンピックフラッグを受け取る尾本選手

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